今回は、シェフ フェルデールが2ヶ月前に出版したレシピブック「PIECE UNIQUE ピエス・ユニック」の話題をお届けいたします。レシピブックのテーマは、「お皿に盛りつけられたデザート」という意味のassiette dessertアシエット・デセール。あなたのために作る特別な一皿、という気持ちを込めて、「UNIQUE=ただひとつの」というタイトルにしたそうです。時に「甘い料理」とも称されるデザート。テクスチュール(食感)、香り、シュクレ(甘さ)/サレ(しょっぱさ)、果実と野菜、温冷の融合、そしてグラス、コンフィズリー、アントルメを巧みに組み合わせたデザートの魅力を余すところなく出しきっています。おいしく、かつ、美しく、を追求するシェフ フェルデールならではの「グルマンな美しさ」が光る甘美な40皿をまとめた豪華な1冊は、作品集としても見ごたえ十分です。


その中には、 パリからの手紙VOL43で紹介した秋冬デザート「ミキュイ・マロン」をはじめとする、シェフ フェルデールとパリラボスタッフで共同開発した歴代のデザートのレシピも数多く掲載されています。パリラボで日本向けに開発したデザートがレシピブックという形でフランスの皆様にも届けることができ、なんとも嬉しい、感慨深い1冊になりました。

さらに幸運なことに、これらのデザートの写真撮影をパリラボの厨房にて行いたいとの申し出があったため、売れっ子シェフのレシピブックがどのように作り上げられるのかを間近で見ることができました。驚いたのは、カメラスタッフやパティシエの助手などを含めた大がかりな撮影を見込んでいたら、現れたのが、シェフ フェルデール以外にカメラマン1名のみ。完全なるマンツーマンで、プロフェッショナル同士の仕事といった感じでした。カメラマンの撮影写真に対して「角度はもっとこうした方がいいのでは?」とシェフ フェルデールが意見したり、逆に、シェフ フェルデールの作品に対して「仕上げはもっとこうした方がいいのでは?」とカメラマンが意見したり。ものづくりに真剣だからこそお互い本気でぶつかり、時には撮影が一時中断する場面もありましたが、一日あたり2~4品のペースで撮影し、約1ヶ月をかけて無事に終了しました。

この撮影にあたって、シェフ フェルデールの美意識を感じたもうひと場面がありました。ある日、高級デパートの大きな紙袋にめいっぱいの買い物をした様子でパリラボに登場。「どれもきれいでしょ!?」と広げて自慢げに見せてくれたものは、そう、ありとあらゆるバリエーションの白いお皿でした。同じ白色のお皿でも、微妙な形や角度、模様によって、確かに表情が違います。曲線のある形のお皿を指して、「この曲線がデザートの一要素になるから、それとバランスが良いデザートを盛りつけないとね」と。アシエット・デセールというレシピブックのテーマにふさわしく、ひとつひとつのデザートに合うお皿を選び抜くというこだわりようには感服いたしました。

尽きることない創造力により、数多くのレシピブックを出版していますが、生地をこねることしかり、クリームを愛撫することしかり、メレンゲを感じることしかり、身体の芯からひとつひとつの素材を慈しむ愛情と美的追求とが相伴い、ひたすらに、おいしい美しさを求めるシェフ フェルデールの姿がありました。どうでしょう、シェフ フェルデールの開発した「甘い料理」がますます食べたくなってきませんか。ぜひ、アンリ・シャルパンティエのサロン・ド・テで、心奪われるグルマンな美しさを味わいにきてください。お待ちしております!

【クリストフ・フェルデールのデザート販売店舗 予定期間】
■ミキュイ・マロン
日本橋髙島屋店(2012/1/2~2/29 予定)
■タルト・ポム・フィーヌ
銀座本店(2011/9/1~2012/2/29予定)
日本橋髙島屋店(2011/11/1~12/31予定 ※12/23~25を除く)
■モンブラン・バナーヌ・アブリコ
銀座本店(2011/11/1~2012/2/29予定)
(2011年12月)

