11月に入ると、朝は暗いうちに起きて、夜も仕事が終わる頃には辺り一面真っ暗になります。夏の日の長さにも驚きましたが、季節によってこれほどまでに違うものかと、冬の日の短さに少々戸惑いを覚える日々です。日照時間が長い4月から10月まで、明るい時間の活用範囲を広げることを目的としたサマータイムも終了し、パリラボでも時計の針を1時間戻す作業を行い、気持ちを冬へと切り替えました。 そんな冬の楽しみとして、11月の終わり頃から、お店にはクリスマスグッズが販売され、街の通りや広場ではクリスマスマーケット(マルシェ・ド・ノエル)が開かれます。


今回は、このクリスマスを待ち望むムードが高まるパリにて開発したクリスマス期間限定のデザートの話題をお届けします。華やかなクリスマスシーズンにふさわしく、気分を盛り上げてくれるシャンパンをコンセプトにしたデザートです。シャンパンは、フランスのシャンパーニュ地方特産の発泡ワインで、きらきらと美しく輝く泡が特徴です。グラスの底から鎖のようにつながって、上がってくる泡をイメージして、盛り付け方にこだわりました。
試作を重ねるうちに、シャンパンのフルートグラスに盛り付けることになりました。立体的に積み上げた大小のボールは、サクッとした食感、そして、シュワッとした口どけの焼きメレンゲです。焼きメレンゲの中には、贅沢にシャンパンを使用したアイスクリームと香り高いバニラを使用したアイスクリームがかくれています。ここに、ペリエを注ぎます。ペリエは、南フランス生まれの発泡性ミネラルウォーターです。シャンパンのようにシュワシュワと発泡する瞬間の見た目や音は、味覚以外の感覚までをくすぐる楽しい演出です。召し上がるにつれて、シャンパンを使用したグラニテやレモンのクラッシュゼリーがお口に入り、爽やかな後味が残るように計算されています。


このシャンパンをコンセプトにしたデザートの開発アイデアを出し合っていたとき、シェフ フェルデールが引っぱり出してきた1つのレシピがありました。それは、銀座本店のサロンでもご愛飲いただいているテタンジェのシャンパンを使用したアイスクリームのレシピでした。シャンパン生産者として名高いテタンジェ家に古くから伝わるものとのことです。なんと牛乳のかわりに、贅沢にシャンパンとバターを使用して作るアングレーズのシャンパンアイスクリーム。バターのコクがまろやかなシャンパンアイスクリームを味わったスタッフ一同は、迷わずこれをデザートの中心にもっていこうと決めたほどです。

日本でも12月はクリスマスパーティーや忘年会など、みんなで集まって乾杯する機会は多いですが、シャンパンのデザートで「ア・ラ・ティエンヌ!=(キミに乾杯!)」なんて、贅沢なひとときはいかがでしょうか。
(2011年11月)

