待ちに待った夏がパリにやってきました!ショーウィンドーには、水着やサンダルがディスプレイされ、短い夏を楽しむための準備がはじまっています。1年で最も昼が長い夏至を迎えるこの時期、午後10時近くまで明るい空の色が、確実に日が長くなっているのを物語っています。なんと日没は午後10時頃。午後10時半頃に暗くなり、夜になったとようやく感じます。時間の感覚がおかしくなりそうですが、仕事終わりに空が明るいだけで、なんだか得をした気分になるものですね。

パリの人々は日が長いこの時期を恒例の楽しみ方で満喫します。セーヌ川の川岸や橋の上で、ワインや食べ物を持ち寄って集まる、いわば、夜のピクニックです。まだ空が明るい午後8時過ぎ頃から集まりはじめますが、とっぷりと日が暮れて日付が変わる頃には、あちらこちらに出来た円陣から楽しい笑い声や合唱が聞こえてきます。日本におけるお花見の宴の光景とよく似ていますね。夕暮れとともに、思い思いの時間を過ごしている人々が集うセーヌ川の眺めは、パリの夏の風物詩といえるかもしれません。

さて、今回はデザートの話題です。シェフ フェルデールが季節ごとにお届けする「創造」という名のデザート「クレアシオン」では、この夏、アンリ・シャルパンティエの看板商品であるフィナンシェをアレンジしたデザートが登場します。「アンリのおいしいフィナンシェをサロン・ド・テのお客様にも召し上がってもらいたい」とのシェフ フェルデールの想いが込められています。「リエゾン・デテ(=夏の関係)」というネーミングのとおり、フィナンシェに合う素材の組合せとして、夏のフルーツにこだわりました。フルーツの旬の時期は短いので、6月はいちじく、7月はパイナップル、8月は白桃、と月替わりでお届けする予定です。

「リエゾン・デテ」シリーズのうち、6月限定でお届けしている「フィナンシェ・ティエド・フィグ(=あたたかいフィナンシェ、いちじくのせ)をご紹介いたします。フィナンシェの上にグリオットソース、その上にスライスしたいちじくを盛り付けます。横には、いちじくと相性のよいアールグレイのパルフェを添えます。パルフェには香ばしいヘーゼルナッツのクランブルと粉糖をかけて。お皿にはレモンが香るいちじくのソースを描きます。サロン・ド・テの厨房で焼き上げたフィナンシェの豊かな味わいに、いちじくのとろみとパルフェのコクが広がる一皿です。
この「リエゾン・デテ」シリーズは、フィナンシェにフルーツをのせ、横に冷菓を添えるというシンプルな構成ですが、アンリのフィナンシェの新しい味わいが引き出されています。ポイントは、焼き上げたフィナンシェにフルーツをのせてから、絶妙な加減で再度火を入れることにありました。あたたかいフィナンシェは芳醇な香りが広がり、よりしっとりとした食感に。あたたかいフルーツは甘みととろみが増します。火を入れた直後にしか楽しめない味わいは、まさにデザートの醍醐味です。
短い夏に幸せを見つけて楽しむパリの人々のように、瞬間を味わうデザートの幸せを見つけに、ぜひアンリ・シャルパンティエのサロン・ド・テにお越し下さい。他にも新作のデザート2品をご用意してお待ちしております。
※ご紹介したデザート「リエゾン・デテ」は、銀座本店、芦屋本店、日本橋髙島屋店のサロン・ド・テでお召し上がりいただけます。

(2011年6月)

