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Lettre de Paris

「パリからの手紙」では、さまざまな角度からパリ「衣・食・住」情報を毎月お届けする予定です。

椅子

夏になると、忙しいもの

パリ中心部の6区にあるリュクサンブール公園は市民の憩いの場として親しまれ、観光客にも人気のスポットです。chaise Luxembourgシェーズ・リュクサンブールという椅子について、聞いたことがあるでしょうか? chaiseシェーズとはフランス語で椅子の意味で、リュクサンブール公園のあちこちに置いてある、鉄製の淡いグリーンの椅子のことを指し、肘掛があるタイプや背もたれが斜めになっているタイプもあります。固定されていないので、公園内であればどこにでも持ち運びができ、天気のいい日には椅子の争奪戦がくり広げられます。

移動式の椅子ともいえる同公園のこの椅子の歴史は、18世紀に始まっており、当時は有料でレンタルされていたそう。現在のデザインの椅子は1923年、公園の管理者であるSénatセナ(上院)が発注して誕生。椅子の背を見ると、セナのマークがちゃんと入っていました。家具店の屋外用インテリアのコーナーに行けば、同じようなタイプのより軽いアルミニウム製や、赤や緑といった多彩な色、子ども用も売られています。

屋外向けの椅子で忘れてならないのは、カフェやレストランのテラスの椅子。店内での喫煙が全面禁止になったことから、喫煙が許されている夏のテラスの混み具合は、ますます激しさを増しています。

Chaise Bistrotシェーズ・ビストロと呼ばれている鉄製の椅子もありますが、パリのテラスに一番似合うのは、やはり伝統的な藤製の椅子でしょう。屋外で使用する藤椅子においてもっとも重要な点は、座り心地のほか、雨や風に対する耐久性。19世紀から続く老舗メーカーのDruckerドゥリュケは、いまも職人が手づくりで藤を編んでいるそうで、パリを代表するカフェである、シャンゼリゼ大通りのLe Fouquetsル・フーケ、サン・ジェルマン・デ・プレのCafé de Flore カフェ・ドゥ・フロール、Les Deux Magotsレ・ドゥ・マゴなどが発注しているそう。カフェのテラスに座ったら、椅子にもちょっと注目してみてください。

〈文・三富千秋/フランス パリ在住〉

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