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Lettre de Paris

「パリからの手紙」では、さまざまな角度からパリ「衣・食・住」情報を毎月お届けする予定です。

季節

春夏のおいしい“再会”

長い冬が終わると、市場に色鮮やかなフルーツや野菜が並び始めます。春から夏にかけて、イチゴやチェリー、アプリコット、フランボワーズなどが次々と登場。野菜では、アスパラガスから始まって、トマトやアーティチョーク、インゲンなどが旬を迎えます。

このように、食材の“旬”といえばすぐに果物や野菜を思い浮かべますが、フランスでは、季節を感じさせてくれる肉や魚もあります。狩猟の解禁中のみ味わえる冬のジビエgibier=狩猟肉は有名ですが、春から夏にかけて食べごろの季節を迎える肉や魚もあるのです。

たとえば、春から初夏にかけて食べごろといわれているのが、ヴォーveau=仔牛肉やアニョーagneau=子羊肉。とくに子羊肉は、4月初め迎えるキリスト教の復活祭(イースター)の伝統料理として食されるため、春の肉と呼ばれます。子羊は、罪の許しを請うために捧げられたイエス・キリストの象徴とされていることから、子羊肉を食べる習慣が生まれたそうです。ちなみにアルザス地方には、子羊をかたどった「アニョー・パスカル」という、ビスキュイ生地のお菓子もあります。

この子羊肉を、カブや春野菜とともに煮込んだナヴァランNavarinは、春の定番料理。ナヴァランという名前は、カブのフランス語ナヴェnavetに由来するといわれています。でも、カブは冬の野菜なのに、なぜ春の料理に入っているのでしょう? それは、旬の最後を迎えたカブを、春野菜と組み合わせることで、季節の移り変わりを感じさせてくれる料理だからなのです。

また子羊肉のなかでも、アニョー・ドゥ・レagneau de lait=乳飲み子羊肉は、春だからこそ味わえるおいしさ。3月中旬頃に生まれてから生後4週間から6週間を迎えた子羊で、母乳しか飲んでいない羊だからこそ、淡いピンク色をした肉はやわらかくて、臭みがありません。

魚で春から夏に旬を迎えるのは、まずロットlotte=アンコウやモリュmorue=塩タラ、続いてドラードDaurade=タイ、マクローMaquereau=サバ、ソーモンsaumon=サケ、トンthon=マグロ、ラングストlangouste=イセエビなどが加わっていきます。ユイットル huître=牡蠣や貝類は、春になると、だんだんと姿を消していきます。

春や初夏に、野菜やフルーツももちろんおいしいですが、この季節だからこそ見つかる上質な肉や魚も、ぜひ味わってみたいものです。

〈文・三富千秋/フランス パリ在住〉

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